ドクターからのメッセージ 知っておいて損はない!エキスパートドクターから受診される皆様へのアドバイス

胃がんは、内視鏡で見つけて内視鏡で治す時代

小田一郎

国立研究開発法人 国立がん研究センター

内視鏡科 病棟医長 小田一郎

早期胃がんは、特有の自覚症状がない‥

私たちが治療する早期胃がんの約6割は無症状な方々です。そして、残り4割も「ちょっと胃に不快感があった」とか「食欲が少し落ちた」といった軽い症状がほとんどです。早期の胃がんに特有の症状はありません。しかし、胃がんに伴って起こる胃炎や胃潰瘍などにより腹部症状を来すことがありますので、少しでも気になる症状があれば、お近くの医療機関で受診することをお勧めします。

なぜ、早期発見が大事なのか

胃がんは毎年約11万人の方がかかり、約5万人の方がなくなっている病気ですが、早期胃がんの段階で見つかるとほとんどの方が治ります。早期胃がんの治療には手術と内視鏡治療があり、適切な治療選択によりほとんどの患者さんが治ります。手術では胃の3分の2、またはすべてを切除しますが、転移のリスクが極めて低いごく初期の段階で見つけられれば、内視鏡で「病気の部分」だけを切除することができます。1年に1回程度検査を受けていけば、がんができてもごく初期の段階で見つけられ、内視鏡で治療できる可能性が高くなります。ですから、定期的な検診や人間ドックはとても重要です。(右図参照)

最大のメリットは胃が温存できること

内視鏡治療にかかる時間は約1時間、入院期間は1週間程度です。手術は3~4時間、入院期間も2~3週間ですので、明らかに患者さんの負担は軽くなります。さらに、内視鏡治療の一番のメリットは「胃が温存できる」ことにあります。
胃を切除すると術後の食生活に大きな影響が出てしまいますが、胃が温存されればこれまでと同じようにご飯を美味しく食べることができるのです。

内視鏡で見つけて内視鏡で治す

「内視鏡は苦手」という方もいると思いますが、鎮静剤によって苦痛の少ない検査を受けることもできます。また、最近ではのどの違和感がおこりにくい、径の細い経鼻内視鏡(鼻からの内視鏡)で検査を行う施設も増えてきました。
胃を温存しながら胃がんを治すためには内視鏡治療ができる段階で見つける必要があり、そのためには定期的な検査が大切です。気になる症状がなくても診てもらうよう心がけてください。

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