ドクターからのメッセージ 知っておいて損はない!エキスパートドクターから受診される皆様へのアドバイス

ピロリ菌除菌後も経鼻内視鏡で定期的にチェック

森昭裕

一宮西病院

副院長/内科部長・消化器内科部長  森昭裕

胃がんの原因はピロリ菌‥

「胃がんの原因はピロリ菌」ということがわかってきました。「年齢が若ければ大丈夫でしょう」と言われることもありますが、私の経験では17歳の方で胃がんになった方がいました。若いから胃がんにならないというわけではありません。あくまで「ピロリ菌がいるかいないか」がポイントだとご理解ください。

内視鏡検査の必要性

ピロリ菌に感染していることがわかれば除菌治療(抗生物質を中心とした薬を7日間服用する)をお勧めしますが、除菌をする前に内視鏡で胃の粘膜をチェックしておくことが大切です。ピロリ菌がいる胃の中にはすでにがんができているかも知れません。胃の検査をやらなければ、見過ごされて進行がんになってしまうことがあるからです。内視鏡で検査すればごく小さな早期の胃がんを見つけられます。そして、この内視鏡検査で「ピロリ菌感染胃炎」と診断されれば、ピロリ菌検査と除菌治療は健康保険で受けることができます(胃透視(バリウム検査)では健康保険の適応がないだけでなく、ごく小さな胃がんの発見は困難です)。
また、ピロリ菌の除菌が成功しても胃がんになるリスクがゼロになるわけではないので、「がんができていないか」を確かめていく内視鏡検査は欠かせません。ピロリ菌の除菌後も内視鏡で定期的にチェックしていくことがとても重要なのです。

「鼻からの内視鏡」は体にやさしい検査

内視鏡は「苦しいから嫌だ」という人も多いと思いますが、今は苦痛が少なく、検査中も医師と会話ができる鼻からの内視鏡(=経鼻内視鏡)があります。経鼻用の内視鏡は、口から入れていたものより細く、直径はおよそ5~6ミリです。
「経鼻内視鏡は本当に楽なのか」とよく言われたので、経鼻用の細い内視鏡を口から入れた場合と鼻からの場合で、体の負担にどれくらい違いがあるのか調べてみました。その結果、口から入れたときは、交感神経の刺激(ストレスがかかると活発になる)が強く、血圧がより高く変化していましたが、経鼻内視鏡はこの変化が明らかに緩やかでした。客観的に見ても体への負担が軽い検査といえます。また、胃の動きを止める筋肉注射や意識をなくす注射もしませんから、車の運転など検査当日の行動も制限されません。合併症がある場合や高齢者の方にもお勧めできますし、何度でも受けていただく経過観察にも適した検査といえます。
こういったことが評価され、最近では内視鏡検査に経鼻内視鏡を選択する人が多くなりました。(下図参照)私が勤務する一宮西病院でも圧倒的に経鼻を選ぶ人が増えています。胃カメラに不安を感じていらっしゃる方はぜひお試しください。

 

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