ドクターからのメッセージ 知っておいて損はない!エキスパートドクターから受診される皆様へのアドバイス

便潜血検査で陽性だった方へ
せめて1年以内に大腸内視鏡検査を

坂本琢

独立行政法人国立がん研究センター中央病院

内視鏡科 坂本琢

便潜血は簡単な検査‥

日本のがん検診はアメリカやヨーロッパ、韓国とくらべても圧倒的に受診率が低いのが現状です。この受診率が低いことが課題です。かつて、アメリカは大腸がん大国と言われていましたが、大腸がんの死亡者数は減少してきています。日本の場合、大腸がん検診の検査は便を採取するだけの簡単なものです。ぜひ受けていただきたいと思います。

大腸内視鏡検査は、苦痛を感じることなく受けることもできます

便潜血検査で陽性になると大腸内視鏡検査へと進みますが、この大腸内視鏡検査を嫌がる方がいます。その理由もいろいろありますが、「痛そう」「痛かった」ということもあるようです。でも、検査をするときに鎮静剤・鎮痛剤を併用すれば、寝ているうちに検査を済ませることもできますし、昔に比べて、内視鏡のスコープも柔らかくなっていますので、苦痛も少なく受けることができると思います。クリニックの中には、鎮静剤を使いづらいという施設もありますので、そういう場合は大きい病院に行ってみてはいかがでしょう。苦痛は解消する方法はありますので、「痛かったからもう受けない」ではなく、そういう選択があることも知っていただきたいと思います。

便潜血陽性が出たら1年以内に内視鏡検査を

私たちの施設に来られる患者さんは、すでに何らかの病変がある方が多いのですが、一番残念に思うのは、便潜血で陽性が出ていたのに放っておいたケースです。お話をお聞きすると「痔だと思っていた」と。1年目陽性、2年目陽性、3年目陽性‥で、下血し始めてとうとう諦めて受けたらステージⅣだった‥というパターンです。
便潜血検査で陽性が出ても急ぐ必要はないと思います。「今は忙しくて行けない」ということもあると思いますし、どこで受けたらいいか検討されることもあると思います。よく考えてからで結構ですから、できれば半年以内、遅くとも1年以内には受けていただきたいと思います。早く見つけられたら内視鏡で切除できます。便潜血をキチンと受けて、陽性だったら2次検査で内視鏡検査をする、それを続けていけば大腸がんで命を落とす人は間違いなく減っていきます。

医者側も努力が必要、技術の均てん化も

私たち医者側も、受ける側に「受けて、受けて」と言うだけではなく、大腸内視鏡を受けてもらうために、痛い思いをさせない挿入や見落とさない観察ができるように技術を高めておかないといけないと思っていますし、もう少し広い目でいえば、どこで受けても同じような検査が受けられるよう、技術の均てん化が図られるような仕組みづくりも必要だと思っています。「もう受けない」と言われないようにしないといけませんから。

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