ドクターからのメッセージ 知っておいて損はない!エキスパートドクターから受診される皆様へのアドバイス

「なんだ、大腸内視鏡検査ってこんなものか‥」
昔に比べると機器の性能も格段に良くなって苦痛も少なくなりました。

神保勝一

神保内科消化器科

院長 神保勝一

当院のリピート率はほぼ100%‥

私が大腸内視鏡を始めたのは昭和59年、これまでに行ってきた検査件数は約30,000件になります。昭和40~50年度は胃がん対策が主流でしたが、その頃アメリカやヨーロッパでは大腸がんが多かったので、いずれ日本でも増えるだろうと思いましたし、当時、大腸がんを研究している人が少なかったこともあり、便潜血をテーマとした研究を進め、大腸内視鏡の開発にもかかわっていました。
今の年間の検査件数は約1,000人です。当院で検査を受けられるのは高齢の方が多いのですが、ほぼ100%リピートしてくれます。なぜかというと「なんだ、こんなものか」と思ってくれる方がほとんどだから。私も、常に痛くない検査をするように心がけているので、その成果なのかなと感謝しています。

大腸がんのリスクファクター

患者さんは便潜血陽性の方が多く、1日2~3人のペースで検査を行っています。便潜血は大腸がん検診の入口となる検査ですが、(+)(+)であってもカメラを入れてみたら何もなかったというケースも多いです。そこで、少しでも効率的な検査を行おうと、絞り込みを考えています。
私の持論ですが、「便潜血の結果で(+)がひとつでもある人」に対して、「ここ2~3ヶ月、頑固な便秘が続いているかどうか」「腹痛があるがどうか」「家族にがんの人がいるかどうか」、これらの要素を加味して絞り込んでいけば、大腸内視鏡検査が必要な人を今の半分以下に減らせると思っています。当院では、無駄な検査を1件でも減らすために、大腸内視鏡検査をして何もなかった場合、上の3つの要素にあてはまるものがなければ、「この次は3年後で‥」と患者さんに伝えています。

大腸がんは命を落とす病気ではない

大腸内視鏡は痛そうだから‥と敬遠されている方、どうせ痔だから‥と思い込んでいる方もいます。男性に多く見られるようですが、便潜血検査で(+)になったら、内視鏡検査を受けてください。「どこで受ければいいの?」と悩まれる方は、かかりつけ医に相談されてはいかがでしょう。相性もあると思いますが、地域内の評判も判断材料のひとつになると思います。今は、昔に比べて内視鏡の機器自体ずいぶん進化して苦痛も少なく受けられるようになっていますし、若い先生の中でも上手に検査する方も増えてきました。大腸がんは検査を受けていれば命を落とす病気ではありません。ぜひ怖がらず受けるようにしてください。

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