ドクターからのメッセージ 知っておいて損はない!エキスパートドクターから受診される皆様へのアドバイス

大腸がんで命を落とさないために

国立研究開発法人 国立がん研究センター

内視鏡科 医長 角川康夫

大腸がんの発見率が2.3%という衝撃‥

 少し古い話になりますが、2011年から2013年まで、大腸内視鏡検査を取り入れた大腸がん検診を東京都の新島村で行ったことがあります。ひとりでも多くの方に受診していただこうと、何度も島民の皆さんに呼びかけました。

 受診対象は新島村の40~79歳の1,671名。その中で全大腸内視鏡検査を受けてくださったのは711名で、この中から23件のがんが見つかりました。発見率でいえば3.2%です。検査方法の違いこそあれ、通常の大腸がん検診におけるがん発見率が0.22%(平成28年度地域保健・健康増進事業報告より)であることを考えると、この比率がいかに高いか、おわかりいただけると思います。

早期がんで見つかれば内視鏡で切除できます‥

 でも、声を大にして言いたいのは、この発見率の高さだけではなく、23名のうち進行がんは1人だけだったということです。残り22人の方は早期がんでしたから、お腹にメスを入れることなく取り除くことができました。進行がんになって見つかると、その治療に莫大な費用と時間、そして肉体的にも精神的にも大きなストレスも抱えてしまいます。転移していたらなおさらです。

 今、私が気になっているのは、この2011年から2013年の研究のときに検査を受けてくれなかった方々です。受けてくださった方と同じ、あるいはそれ以上の割合でがんが潜んでいるのではないかと思っているからです。新島村に限ったことではありませんが、40歳を超えていながら大腸がん検診を受けたことがない方、大腸がん検診の便潜血検査を受けて陽性だったのに内視鏡検査を受けていない方は、ぜひ受けていただきたいと思います。自覚症状がないときに見つけられれば、早期がんの可能性が高く、早く見つかれば内視鏡で切除できます。このメリットを活かさない手はありません。

検査方法には様々な選択肢が‥

 大腸の内視鏡検査は辛いというイメージをお持ちの方もいると思いますが、今は眠ったまま検査を行ってくれる施設もあります。保険適用にはなっていませんが、カプセル内視鏡やCTコロノグラフィという選択肢もあります。一度検査を受けて「痛かったからもう受けたくない」とおっしゃる方もいるかも知れませんが、消化器内視鏡専門医の資格を持っているドクターを頼ってみてはいかがでしょう。上手に検査を行ってくれる先生に巡り合えると思います。大腸がんで命を落とさないために、ぜひ、一歩、踏み出してください。

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