胃X線検査は全廃。胃がんで死なない街・横須賀をめざして

横須賀市医師会 中央内科クリニック  松岡幹雄


横須賀市の胃がん検診は平成13年10月から、胃X線検査(以下X線法)に加えて、血清ペプシノゲン法(以下PG法)を取り入れ、受診者の希望でどちらかを行っていました。X線法の受診率は2%前後、胃がん発見率は0.1%前後で、平成18年度、19年度、22年度に発見された胃がんは0件でした。平成21年には2件発見されましたが、いずれも進行がんで早期胃がんは見つかっていません。それに加えて、撮影技術の問題や読影医の減少などの問題もあり、PG法と血清ヘリコバクターピロリIgG抗体(以下HP抗体)を組み合わせた胃がんリスク検診の導入を行政側・医師会側にそれぞれ進言し、ワーキンググループを立ち上げて協議を始めました。その後、数多くの講演会や説明会を開催、平成24年度からX線法を全廃、40歳以上の市民全員を対象として胃がんリスク検診が行われることになりました。

胃がんリスク検診の運用ですが、A群は「受診後5年間は再受診できない」ものの、希望時はいつでも保険診療で内視鏡検査を受けることができるようにし、除菌歴のある場合、および胃・十二指腸潰瘍の既往のある場合は修正してB群としました。BCD群は内視鏡検査によるフォローアップになります。そこで撮影した内視鏡写真は医師会に提出、3人1組からなる検診読影委員会でダブルチェックを行います。

24年度、25年度、26年度の受診率は、15.6%、8.5%、6.9%で、A群の割合は53%、53%、57%でした。精検受診率は、79.2%、77.5%、76.4%で、それぞれ108件(早期がん85件、進行がん23件)、45件(早期がん31件、進行がん14件)、30件(早期がん27件、進行がん3件)の胃がんが発見されております。胃がん発見率は、0.496%、0.448%、0.405%、胃がん以外にも、食道がん、胃悪性リンパ腫、胃MALTリンパ腫、十二指腸がんなどが発見されました。概算ですが、胃がん1件を見つけるのに要した費用をくらべてみますと、平成23年以前の5年間の平均でX線法が2,830万円、PG法は151万円、胃がんリスク検診では24年度が112万円、25年度は98万円でした。

横須賀市の胃がんリスク検診は、胃がんの発見という観点からみると一定の成果を得ていると思われます。また胃がんの発見という目的以外にも、ピロリ菌陽性者を抽出して除菌を行っているので、今後の胃がん抑制効果も期待できると考えています。

特定健診同時実施の1...

トピックス一覧に戻る

アンケート結果 ~ ...

ページ上部へ戻る