水戸市の胃がん検診~現状と課題、展望

茨城県メディカルセンター・消化器・内視鏡センター 齋藤洋子


水戸市の対策型検診ですが、2011年から個別検診ではX線検査だけではなく内視鏡検査を選択できるようにし、また希望者にはリスク層別化検査も受けられるようにしました。

(下図)は、水戸市の胃がん検診受診者数を示したものですが、個別X線検診が年々減少し、2014年度は1000件程度になっていました。水戸市が「個別検診では内視鏡検診を中心にやろう」としていることも影響していると思います。個別内視鏡検診は3000件程度で推移しています。

特筆すべきは、この4年間の胃癌発見数です。集団X線では22人、個別X線では9人、個別内視鏡では49人、食道癌等の9件を合わせると58件になります。発見率で比べてみますと、X線法では0.17%だったのが、個別内視鏡の場合は胃がんだけでも0.53%、全てを含めると0.63%と3~4倍の成績になっていました。

水戸市が2016年度から開始した対策型胃がん検診は、40~49歳は血清検査による胃がんリスク層別化検査を1回実施し、偽A、B,C,D,E(H.p感染胃炎)は外来診療による内視鏡検査を実施、癌があれば治療、除菌対象者は除菌治療を行います。

50歳以上は、個別検診では2年に1回の基本内視鏡検診、集団検診では1年に1回のX線検診、そして胃がんリスク層別化検査未受診者はリスク層別化検査を受けてもらい、その結果と背景胃粘膜などを判断し、癌があれば治療、H.p感染胃炎は除菌治療へと進みます。

胃がん検診と背景胃粘膜は切っても切れない関係にあります。大切なのは、背景胃粘膜の判断、つまりH.p未感染相当胃粘膜であるか、あるいはH.p感染胃炎かという判断と、それに続く的確な局所所見の判断です。胃がん検診も「単年度ごとにがんを発見していれば良い」という時代は終わったと思います。

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