胃内視鏡検査でわかること、わからないこと

公益財団法人日本健康アカデミー(東京都八王子市)主催による、医療法人おなか会・おなかクリニック院長の村井隆三先生の講演会が開催された。


村井先生は「胃がんで亡くなる人は年間約5万人、ピロリ菌感染者が少なくなっていることもあり減少していますが、大腸がんは増加しています。日本のがん死亡率でいえば、今や大腸がんが女性第1位です。当院で行なっている内視鏡検査も胃がんの検査件数は頭打ちになりつつありますが、大腸がんは増加中です。見つかるがんも多く、2018年に行った内視鏡検査(約12,000件)のうち、発見された胃がんは17名、大腸がんは124名でした」と説明、「胃がんの発見者数が少ないのは、リピーター(毎年受けてくれる方)が多くなってきたから」と補足していた。

八王子市では2018年度から胃がん内視鏡検診が始まり、すでに7~8千人の方が受診している。「苦しい」「つらい」と言われていた内視鏡検査だが、おなかクリニックでは、眠っているうちに検査を行うことが多く、ほとんどの方は苦痛を感じないという。また、最近は炭酸ガスを使うことで楽に受けられるようになったと村井先生は言う。「これまでは圧縮空気を使って胃を膨らませていたので、お腹がパンパンになって、抜けるのに何時間もかかって苦しい思いをされていた方もいましたが、炭酸ガスであれば検査が終わって5分もすると吸収されていくのでずいぶん楽になりました」とのこと。

上述のとおり、おなかクリニックでは内視鏡検査で100件以上のがんを見つけている。内視鏡の機器も進化して観察しやすくなってきたそうだが、それでも、まだわからない(見落とされる)ケースがあるという。「早期がんの15~20%は内視鏡で検査しても見つからないと言われていて、現に観察していても見落としてしまうことがあります」。そこで大事になるのが定期的な検査である。「去年見落とされていたとしても、今年は見つかるということもありますから、ぜひ定期的に受けていただきたい。少しでも早期に見つけられれば内視鏡で治療できる可能性も高くなります」。

内視鏡検査に限ったことではないが、完璧な検査はない。それを踏まえて定期的にチェックしていくことが胃がん・大腸がんで命を落とさないための心得だとあらためて認識させられた。

村井先生は内視鏡検査を専門としながらも、NPO「二十歳のピロリ菌チェックを推進する会」を発足し、若年者の胃がんリスクを極力排除していこうと活動を推進している。協力医療機関(賛助会員)は全国で22施設、現在でも募集中とのこと。(詳細は→ http://hatapy.org/work/sanjyo.html

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